中2・3 「総合的な学習」特別講演会

 11月30日(土)の4校時、本校講堂において、中学2年生・3年生を対象とした「総合的な学習」特別講演会が実施されました。中学校において今年度よりスタートした新学習指導要領で話題となっている「総合的な学習」は、設定されたテーマにしたがった生徒自身の探究活動や体験学習を重視することで、「生きる力」を養うことを目的としています。今回の講演会は、1学期に引き続き理科分野での授業展開の1コマとして企画されました。
  講師として、環境問題に関する多くの著書をもたれる宮田光男氏をお招きし、「環境を考える “ごみとの付き合い方”」という演題のもと、中学2年生・3年生の理科における、「環境」の学習の一環としてお話を伺いました。


【講 師】  宮 田 光 男 氏

 東京教育大学(現、筑波大学)卒業。サイエンスライター。
 日本基礎化学教育学会名誉会長(創立者) 日本私学教育研究所客員研究員 日本化学会化学教育有功賞受賞 日本理化学協会化学教育功労賞受賞 武蔵野学園小学校、桐朋中・高校教諭 桐朋教育研究所主催「環境を考える」講座担当。桐朋学園大学短期大学部講師「環境講座」担当。西日本新聞に9ヶ月間「地球を知る 環境を知る」を連載。西独“黒い森”を始め、欧米・中国等の諸外国の大気汚染の実態を調査研究。化学公害資料は多くの教科書に引用されている。

《主な著書》
 「誰にもできる化学実験」(日本教育新聞社)
 「失敗は成功のもと」「環境 話の泉」「化学 話の泉」「化学が好きになる実験」「家庭で楽しむ理科遊び」「続化学 話の泉」「化学 エコライフ知恵袋」「震災 エコライフ知恵袋」「見せる!魅せる!!化学の実験」「ダイナミックな化学実験」「作って楽しむ理科遊び」(いずれもポピュラー・サイエンスシリーズ 裳華房)
 「身のまわりを“科学のメガネ”で見る」(化学同人)
「カンタン科学手品」(新星出版)


「総合的な学習」特別講演会01 「総合的な学習」特別講演会02
 「環境を考える」という演題での講演会。のっけから、水を入れたビニール袋にペンを刺しても水が漏れないことを実演される先生(写真右)。生徒の興味をひいてから「今日はこのビニールが環境に及ぼす影響について話します」とのこと。話し慣れていらっしゃいます。

「総合的な学習」特別講演会03 「総合的な学習」特別講演会04
 真剣にメモをとる生徒たち。講演会の内容をまとめて、明後日に提出しなければなりません。

「総合的な学習」特別講演会05 「総合的な学習」特別講演会06
 手書きの資料をプロジェクターで映写しています。このプロジェクターは本校の自慢の機器のひとつで、講堂2階の映写室からステージのホリゾンに向けて、非常に鮮明な画像を映し出すことができます。

「総合的な学習」特別講演会の感想


中学2年C組 H.M

 11月30日(土)に今年度から導入された総合学習の一環として、「環境」の専門家である宮田光男氏をお招きして、講演会が行われた。宮田氏はとても気さくな方で、生徒一同の緊張を和らげるように冗談を交えながら講演は始まった。お話には三つの大きなテーマがあり、どれも将来心配される環境問題だった。

 一つ目は「ダイオキシン」のお話だった。「ダイオキシン」の発生からごみとの関係、さらに、ダイオキシンが及ぼす人体への影響とその対策など、本当にいろいろなお話をしてくださった。僕個人とても関心を持ったのは、ダイオキシンに対し、これから行わなければならない対策についてだった。宮田氏は、一番よい対策は今の日本で行われている物の使い捨てをやめることであり、そして戦前の日本のような生ごみの有機肥料化が必要であるとおっしゃっていた。また、ご自宅でも柿の木や畑に生ごみの有機肥料を使っていることなどもお話になった。このほかに、ごみ問題で先進国であるヨーロッパのお話もとても興味深かった。

 二つ目は「オゾン層の破壊」のお話だった。オゾン層は成層圏にあり、有害な紫外線から地球を守る役目をしている。しかし、このオゾン層がフロンガスにより減りつつあるというものだった。また、このオゾン層の破壊は三つ目のテーマである「地球温暖化」にも関係している。そして、今このフロンガスの対策に世界の研究者が苦心しているともおっしゃっていた。

 参考になるお話ばかりで、とてもよい講演会だった。