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2016年9月10日 図書館通信 「らいぶらりーNEWS 残暑号」&「BOOK TIME 2016年度 第3号」発行中

図書室通信高校版「らいぶらりーNEWS」から、残暑から初秋へ移り変わる季節におすすめ本

本質を見据える“疑う”力―懐疑論で考える力を養おう
「ニセ科学を見抜くセンス」(閲404―サ)左巻健男著 新日本出版社
 EMに波動、水からの伝言など科学『のようなもの』にご用心。論理的に考え、判断する姿勢でもってすれば怪しいものは嗅ぎ分けられる。ニセ科学を題材に巷にはびこるいかがわしいものを見抜くセンスを身に付ける。
 
「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」(閲N404―イ)石川幹人著 PHP新書
 マイナスイオンにホメオパシーや性格診断など、手を変え品を変えはたまた時間を置いて同じものが再び現れたりと、常に供給される疑似科学的な商品の数々。そこには騙されたがる人間の複雑な心理があった。何より危険なのは思考停止、その陥穽にはまらないため、疑似科学との付き合い方を第一人者が解説する。
移り変わる季節と共に―変わりゆくもの、変わらないものを描いた小説
「颶風の王」(閲913-カ)河崎秋子著 角川書店
 その一族は常に馬と共にあった。苛酷な自然に振り回される極寒の地で生きる人間にとって馬はかけがえのない存在。明治・大正・昭和そして現在まで連綿とつながる馬との縁。日本の原風景を駆け抜ける馬と人間が織りなす壮大な大河小説。
 
「くせものの譜」(閲913-ミ)箕輪諒著 学研
 その男、天下に名を轟かせる武将なるも、とんと運がなかった。多くの主家を渡り歩いては負け戦ばかり、ただ一つの槍働きを望んだ男の辿り着いた先は時代に取り残された者たちの集う大坂城。厄神と称された男、御宿勘兵衛。英雄の裏に隠れた一人の男の熱き生き様。
笑う中にも知性あり?
「数学者たちの楽園」(閲410―シ)  サイモン・シン著 新潮社
 知らない人はいない世界的に有名なアニメ「ザ・シンプソンズ」には高尚なる数学が詰まっている? ハチャメチャなストーリーの中には実に巧妙に数学の有名な公理が潜まされ、チラッと映る画面の端には分かる人にだけ分かる、ニヤリとする小ネタがちりばめられていたりもする。ナンセンスの中にこそ本当のセンスが求められる真の笑いの世界。「フェルマーの最終定理」の著者がおくる、高等数学者たちが全力で遊んだ知とユーモアのパラダイス。
 

図書室通信中学版「Book Time」から秋のはじまりにおすすめの本

秋のイチオシはこれ!
「時が新しかったころ」(閲YB933-ヤ)ロバート・F・ヤング著 創元SF文庫
 化石調査のために白亜紀にタイムスリップした男が見たのは、木の枝に座る二人の子供。しかもこの二人は火星人で、誘拐されて地球につれてこられたという! これは一体どういうことだ? トリケラトプス型戦車で恐竜時代を駆けめぐる、コミカルSF冒険小説!
 
宿命の対決!
「マヴァール年代記〈全〉」(閲YB913-タ)田中芳樹著 創元推理文庫
 皇帝の死により、マヴァール国内で秘められていた野望が動き始めた!父を殺した皇帝の息子、知略に長けた選帝公、国を追われた武勇の騎士。運命に操られたものたちの宿命の対決が始まる!
注目の本棚―秋の映画化本!
「ぼくのおじさん」(閲YB913-キ)北杜夫著 新潮文庫
 漫画とイタズラが大好きで、お金がなくても働かない! なんだか変なぼくのおじさん観察日記! 2016年11月公開予定
 
「KUHANA!(クハナ!)」(閲Y913-ハ)秦建日子著 河出書房新社
 楽器未経験のへっぽこジャズ部員たちが、希望のサウンドを響かせる!笑いと涙の青春部活小説! 2016年10月公開予定
 
残暑が続く中にも、体にふと感じる秋の風
空を見上げれば、いつのまにか天高く秋雲がたなびく
移り変わる季節に肌そばだて、研ぎ澄まされた感覚で以って
実り多き黄金の秋にふさわしい知の収穫を