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2019年6月5日 図書館通信 <高校・中学への図書館ニュース + 六月注目の新刊> 発行

高校生への図書館ニュース「らいぶらりーNEWS 初夏号」

未来は〈現在〉の拡張から―至近未来を予測するSF小説

遥か先にあった未来はいつの間にか我々の肩をたたき、追い抜き、そして気付かぬうちに目の前の光景を一変させていく。目まぐるしく発展する最新技術が世界を/人間を変えていく先にあるものとは。至近未来SF小説の描く拡張された現実は、想像か、予言か?
「ハロー・ワールド」(913-フ)藤井太洋著 講談社
 アプリ・ドローン・SNS・ブロックチェーン、情報インフラの爆発的な広がりは世界をわたしたちの目に映らないところで急激に拡張し変貌させていく。何でも屋のプログラムエンジニアが遭遇した世界を変えた/変えていく/変えるかもしれない技術と事件。もうどこかにあるかもしれない現在とその先を描くITエンジニア小説。
 
「ゲームの王国」(913-オ-1・2)小川哲著 早川書房
 始まりはカンボジア、狂騒のクメール・ルージュの時代。地獄の季節を見た二人が望んだのはそれぞれ別の理想郷。時代は進み、急進政治家と脳波研究者に分かれた道が再び交錯する時、選ばれる未来とは? 現実から端を発し、虚構は未だ来ぬ世界を幻視し塗り替えていく。現実を拡張するその先を描くSF小説。
 
「彼女は一人で歩くのか」(B913-モ-1) 森博嗣著 講談社タイガ
 人造人間「ウォーカロン」の普及は人類を新たな段階に導いた。人造生命による超少子高齢化・超高度医療による半不死化・シンギュラリティAIによる超高度ネットワーク、“いまここから”先を想定し提示される人類の行く先。人は何処からきて何者でどこへ行くのか? あなたへ未来を問うSF<W>シリーズ。 
 
「PSYCHO-PASS」(B913-フ-1・2)深見真著 角川文庫
 人間の精神を数値化し、犯罪を犯す前に犯罪者を識別するシステムによって繁栄を見せる未来の日本。潜在犯と呼ばれる数値に異常をきたした者を追う部署へ配属された新人刑事はいつしか平穏に見えたこの国の真の姿に直面する。法とは、罪とは、正義とは、魂の尊厳とその在り方を鋭く問うSFサスペンス。

世界を変えた革新者たち、その生き様を知る

「ロケット・ササキ」(B549-オ)大西康之著 新潮文庫
 ジョブスが憧れ、孫正義を見出す、現在のIT社会の素地を作り上げたといっても過言ではない日本人がいた。発想力・行動力・人脈すべてが規格外、「技術は人類の進歩のため」、その“共創”の思考がかつての電子立国日本を築いた。シャープ伝説のイノベーターの生き様。
 
「大空への夢」(778-ス) 鈴木和幸著 大月書店
 パイロットを夢見た少年はいつしか誰も見たことのない映像を生み出し続ける映像作家となった。多くの試練や挫折は新たな発想・ひらめきの糧、想像の翼で羽ばたき、創造の大空を飛翔するフィルムがその手で映されていく。特撮の神様と呼ばれた男、円谷英二の波乱の生涯。
 
世界を変えた人たちの世界を変えた考え方を知る
「すごいイノベーター 70人のアイデア」(141-ス) ポール・スローン著 TAC出版

将来を、なりたいものに、なるために

「人生を豊かにする学び方」(N002-シ) 汐見稔幸著 ちくまプリマ―新書
 目の前にノートや教科書を広げれば「勉強」だと思っていませんか? 単なる作業だけでは何も得られない。本当の「学び方」を知ることで人生をつくることができる。将来の選択肢を広げるための生涯、学習のススメ。
 
「青少年のための小説入門」(913-ク) 久保寺健彦著 集英社
 いじめられっ子の少年が札付きのヤンキーに提案されたのは小説を朗読し語り合うこと。そして小説の世界に魅せられていった二人は作家デビューを目指す。本とは?小説とは?創作とは? 夢を抱いて目指す人すべてに贈るあなたと夜と物語と。

「人間をお休みして ヤギになってみた結果」(B489-ト) トーマス・トウェィツ著 新潮文庫
 生きてることにもう疲れてしまった僕は悩み苦しむ人間をお休みして、悩みのなさそうな「ヤギ」になろうと思う。トースタープロジェクトで世界中の度肝を抜いた著者の次のテーマは動物になること。果たして彼は悩みから解放されたヤギになれるのか? 抱腹絶倒の人類ヤギ化計画。

将来“あの職業”につくための職業ガイドシリーズ
「なるにはBOOKS」シリーズ(366-ナ)ぺりかん社
「日本の給料&職業図鑑」(Y366-ニー1・2)宝島社
「新13歳のハローワーク」(U366-ム)幻冬舎

好きなことを仕事にする先人たちのポップでロックな生き方の極意
キング・オブ・ロックの真の自由を手に入れるための極意—「ロックで独立する方法」(B767-イ)忌野清志郎著
造形集団海洋堂センムの好きなものを好きでい続ける極意—「『好きなこと』だけで生きぬく力」(366-ミ)宮脇修一著
秘境冒険家とその仲間たちの就職しない働き方の極意—「放っておいても明日は来る」(366-タ)高野秀行著
燃えては甦る不死鳥実業家のお金との関わり方の極意ー「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」(B159-ホ)堀江貴文著
名物ディレクター藤やんとうれしーの身勝手の極意ー「仕事論」(366-フ)藤村忠寿・嬉野雅道著 

※彼らに倣う場合は自己責任で!

今月の名言
「自分が本当に得たいと思う物を欲すること、これは往々にして、人生の極意でもある。」(アラン 仏 哲学者)

中学生への図書館NEWS「図書館通信 アーサー王伝説号」

現代のファンタジーやRPGゲーム、アニメなどの創作モデルに使われることの多いアーサー王伝説(たくさんあるのでアーサー王伝説群と呼ばれています)。5~6世紀のブリトン人(ケルト民族の一種族)の英雄がモデルと言われていますが、実在したかどうかは不明です。
アーサー王の世界【1】大魔法師マーリンと王の誕生(Y913サー1)
アーサー王の世界【2】二本の剣とアーサーの即位(Y913サー2)
アーサー王の世界【3】ガリアの巨人とエクスカリバー(Y913サー3)
アーサー王の世界【4】湖の城と若きランスロット (Y913サー4)
 アーサー王の世界【1~4】」の著者は、「ルドルフとイッパイアッテナ」で講談社児童文学新人賞を受賞した斉藤洋です。彼は新しい視点で<アーサー王の世界>を再構成していますが、キャクストン版、トマス・マロリー著のアーサー王物語の原書は21巻あり、アーサー王の死まで描いた作品として井村君江訳(全5巻)が図書館にあります。また、サトクリフのオリジナル版(全3巻)や、派生作品、アーサー王百科等多くの本があるので手に取ってみて下さい。
 アーサー王とは
 イギリスを代表する中世騎士物語に登場する英雄。
伝説では、イギリス王だったペンドラゴンと彼のライバルであるコーンウォール公の妻イグレーンの間に生まれ、マーリンという魔法使いに育てられたと言われている。15歳のときに王者の証しである岩に刺さった聖剣(エクスカリバー)を引き抜き王となった。彼のもとには優れた勇者が集い、マーリンが築いた王宮キャメロットに住み、”円卓の騎士”を率いて騎士道の誉れを追求した。しかし、王妃グィネヴィアと”円卓の騎士”ランスロットの不倫と不義の息子モードレッドによる反乱によって王国は崩壊。アーサー王も最後の戦場である「キャムラン丘の戦い」で致命傷を負った。

エクスカリバーとは
松明百本を束ねたものよりも強い輝きを発する聖剣!アーサー王と聖剣エクスカリバーとの出会いには2説ある。ひとつは「引き抜いた者は王になる」と書かれた石の台座に刺さっているエクスカリバーを若き日のアーサーが引き抜いたというもの。もうひとつは湖の貴婦人ヴィヴィアン(マーリンの愛弟子)から与えられたもの。剣の代償はアーサーの体である。エクスカリバーの刃を受けて切り裂かれないものはなく、また、その鞘は身につける者がどのような傷を受けても決して血を流さずに済むという魔力を秘めていると言われている。

魔法使いマーリンとは
アーサー王を支えた魔法使い。マーリンは精霊を呼び出す召喚術を使い、特に有名なのが竜の召喚である。竜の召喚といえば、様々なゲームやアニメでもよく出てくるが、これらのモデルのひとつとして考えられるのがマーリンによる竜の召喚だ。
そのほか図書館にあるアーサー王関連の本
・「アーサー王物語Ⅰ~Ⅴ」(キャクストン版)トマス・マロリー著(933マー1~5)
・「アーサー王と円卓の騎士」全3冊  ローズマリ・サトクリフ著(933サ)
・「アーサー王伝説7つの絵物語」(930カ) 
・「アーサー王伝説」(930ア)
・「 図説アーサー王と円卓の騎士」(930ア) 
・「図説アーサー王伝説物語」(930ア)   
・「図説アーサー王百科」(930ア)
 

6月注目の新刊

宇野重規「未来をはじめる」
藤村忠寿・嬉野雅道「仕事論」
忌野清志郎「ロックで独立する方法」
吉上亮「泥の銃弾 上下」
はやみねかおる「都会のトム&ソーヤ 16」
リック・ドワーズ&マイケル・ブルックス「すごく科学的」
斉藤洋「シンデレラのねずみ」
長野まゆみ「カンパネルラ版 銀河鉄道の夜」
浜崎慎二「共感スイッチ」
頭木弘樹「NHKラジオ深夜便 絶望名言」


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