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2019年10月19日 図書館通信 <高校・中学への図書館ニュース + 十月注目の新刊> 発行

高校生への図書館ニュース「らいぶらりーNEWS 白秋号」

彩り豊か様々な<秋>を読む

 
芸術の秋-身近なところに美を見出す
「♯名画で学ぶ主婦業 /主婦は再びつぶやく(723-メ-1・2) 宝島社
 荘厳な宗教画や名高い巨匠の大作が並ぶ中、隣でそっとつぶやかれたその一言で一気に名画から生活感があふれ身近に感じる! 君たちはつぶやく側かつぶやかせる側か? こんな展覧会の楽しみ方もある名画ガイド。
 
「美しき瞬間」(726-オ)岡上淑子著 河出書房新社
 人の夢は朧気儚気、超現実の舞踏場。根源的な何かから生じたような様々なイメージを写真コラージュで表現した作家の精選作品集。

「不見の月 博物館惑星Ⅱ」(913-ス)菅浩江著 早川書房
 地球と月の間に浮かんだ小惑星はそのすべてが美の女神の名を付けられた博物館。この世の美を集めるその星には今日も美術品と共に、想いが結晶したが故の厄介事もあわせてやってくる。美は時に人を迷わせ狂わせ惑わせる。それでも人は美しさを求め、願い、恋焦がれる。美とは何かをやさしく問う、SF短編集。
前巻にあたる「永遠の森 博物館惑星」(B913-ス)ハヤカワ文庫 も一緒に。
食欲の秋-知らざあ食ってみせましょう
「辺境メシ」(383-タ)高野秀行著 文藝春秋
 世の中にはゲテモノとされる食材があるが、それは失礼な話、その地で生き食べる人たちにとってはご馳走なのだ。見た目とイメージで判断しちゃいけない、とりあえず現地に出向きまず食べてみよう。美味なる逸品から、現地の人すらドン引いたものまで、胃袋一つで、突撃!秘境の晩御飯。

「昆虫は美味い!」(N383-ウ)内山昭一著 新潮新書
 その的確な味の表現によって、興味と食欲がそそられてくる。昆虫食の研究家である著者がおいしい虫やその食べ方を案内する。かつて普通に食べられていた虫が再び食卓に上る日が来るのか? 食糧問題解決の救世主としても期待される昆虫食、あなたの知らない昆虫グルメガイド。

「鳥肉以上、鳥学未満」(488-カ)川上和人著 岩波書店
 食卓でほぼすべてが揃う生き物、ニワトリ。部位の一品一品をいただきながら鳥とは何かを考える。鶏肉はおいしく学べる最高の教(食)材。食べちゃいたいぐらい大好きで、鳥類のすべてを知りつくしたい鳥類学者による脱力系鳥類学。
スポーツの秋-桜花開く秋
「桜の軌跡」(B783-サ) スポーツ・グラフィックNumber編 文春文庫
「奇跡のチーム」(B783-イ) 生島淳著 文春文庫
 その史上最大の大物食いはまぎれもないこれまでの<結果>。長期低迷に陥っていたラグビー日本代表を再び走りださせた原動力とは何だったのか? 世界の大舞台で敢然と闘うまでの険しかった道のりを当事者たち自らが振り返る。人事を尽くさぬものに天命はない、兵(つわもの)たちが突き進んだ栄光への軌跡。
 
熱き戦いを最後まで見届けるために!
「ラグビー語辞典」(783-サ)斉藤健仁著 誠文堂新光社
 ラグビーの歴史から、ルール、豆知識などをわかりやすくユーモア交えて解説。この一冊でまだ間に合う!
行楽の秋—この世の果てまで、行こう
「古代アテネ旅行ガイド」(B231-マ)フィリップ・マティザック著 ちくま学芸文庫
 昔アテネという国があってね。そんな歴史ある(紀元前)ヨーロッパで話題沸騰の都市国家を訪れよう! 行き方・見どころ・注意点、そしていざというとき役に立つ古代ギリシャ語会話集も付いて、あなたもパルテノン神殿を眺めて、リュケイオンでソクラテスと握手!
 
ロマンあふれるローマでの休日をお考えの方に最盛期ローマ(西暦200年頃)をおすすめ。
「古代ローマ旅行ガイド」(B232-マ)フィリップ・マティザック著 ちくま学芸文庫
 
「ケルトの魂」(230-ツ)岡真弓著 平凡社
 広大なユーラシア大陸を挟んで、その両極で育まれた独特の文化に形象、日本とアイルランドには不思議な相似がある。ケルト研究の第一人者が様々な分野の人々とケルトと日本についてを縦横に語りあう。この世の果てに思いを馳せ探求した旅の記録。
 
「宇宙プロジェクトがまるごとわかる本」(O538-ウ) 枻出版社
 見上げるしかなかった宇宙を人類が目指した60年間。この惑い星を飛び出そうとした惑い人たちが試みたすべての計画・ミッションを網羅する。
 
読書の秋-読まない読書のすすめ
「読書の価値」(N019-モ)森博嗣著 NHK出版新書
 情報化の進んだ時代にあってわざわざ本を/本で読むことに価値などあるのか? 本とは自らの不知に気づき、それを誰かの既知より埋め、そしてさらなる未知の世界へ踏み出し広がる知のサイクル。自身を自由な思考に導くことに人が学び続ける意味がある。人気作家が語る、自分だけの“面白さ”を見つける読書への構え方。
  
「読まずにすませる読書術」(N019-カ)鎌田浩毅著 SB新書
 あなたは本に全部読むことを強いられていませんか? 多読・速読などして無理になんでもたくさん読もうとするのはかえって体に毒。自分の読むべき本、読まなくてもよい本をいかに見極めるか、その選書眼を養うことが最も大事なことだ。有名大学教授が教える、ただ本を読めばいいのではない、ムダを“読まない”読書術。
今月の名言
「ひっきりなしに次々と本を読み、後から考えずにいると、せっかく読んだものもしっかり根を下ろさず、ほとんどが失われてしまう」(ショーペンハウアー 独 哲学者 「読書について」より)

中学生への図書館NEWS「図書館通信 <宮沢賢治の作品限定‼>オノマトペ号」

☆【オノマトペ=擬音語】実際の音をまねて言葉とした語。
  「さらさら」「ざあざあ」「わんわん」など。擬声語。
  広義には擬態語も含む。オノマトペ。オノマトペア。(広辞苑 第七版より)
「ジャラジャラジャラジャラン。」事務長が高くどなりました。
              「猫の事務所」(「宮沢賢治全集8巻」)
「ダー、ダー、ダースコ、ダー、ダー。踊ったぞ、踊ったぞ。」
「種山ケ原」(「宮沢賢治全集5巻」)
向ふではサンムトリが第三回の爆発をやってゐます。「ガアン、ドロドロドロドロ、ノンノンノンノン。」
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」(「宮沢賢治全集5巻」)
たゞあのつりがねさうの朝の鐘だけは高く高く空にひゞきました。「カンカンカンカエコカンコカンコカン。」 
  「貝の火」(「宮沢賢治全集5巻」)*「貝の火」=「蛋白石」=「オパール」
図書館にある宮沢賢治の本
「宮沢賢治のオノマトペ集」(B913-ミ)
「ポシャポシャ」降る霧、「カブン」と沈む月、「かやかや」しゃべる鉱物。宮沢賢治の童話のなかから、とくにおもしろいオノマトペを、「気象」「風」「光」「歩く・踊る」などに分けて紹介している。

「宮沢賢治はなぜ石が好きになったのか」(459-ホ)
 石は人間の文化と深い関わりをもつ。宮沢賢治はその作品に鉱物を多用し、すぐれた効果をおさめた。なぜ彼は、それほどまでに石が好きになったのか? 「石と芸術家の物語」など、鉱物に関わる文章をまとめた一冊。

「宮沢賢治の地学教室」(450-シ)
 地学の先生でもあった宮沢賢治の作品には、地学的なテーマや表現がふんだんに盛り込まれている。
それを引用し、森の学校のケンジ先生と動物の生徒たちとの会話形式で、カラー図版も豊富に収録。

「声に出して読みたい日本語1 雨ニモマケズ」(726-コ-1)
 音読で賢治のリズムをからだに入れてみよう!
 賢治は散歩をしているときに、ときどき「ほっほー」と叫んで飛び上がったそうだ。
「雨ニモマケズ」全文、「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」ほか、宮沢賢治作品のハイライト部分を収録。
 
「ポラーノの広場」「注文の多い料理店」「新編 銀河鉄道の夜」「新編 風の又三郎」(以上、新潮文庫)
「宮沢賢治全集1~8巻」(ちくま文庫)
★「セロ弾きのゴーシュ・グスコーブドリの伝記」(角川文庫)
「銀河鉄道の夜 朗読画集(付属CD付き)」(NHK出版)
「銀河鉄道の夜」(講談社英語文庫 )
ほか多数
宮沢賢治の作品には、賢治独特の創作オノマトペが多く使われている。それらのコトバたちは、賢治ワールドに生命を吹き込み、物語に生き生きとした表情を与える。また、それらを声に出して読むことにより、音自体の面白さを味わうこともでき、音にあわせて体を動かしてみるのも一興だろう。ほっほー!

10月注目の新刊


新海誠「天気の子」
ケン・リュウ「母の記憶に」「草を結びて環を銜えん」
原田マハ「美しき愚かものたちのタブロー」
雪船えま「ナニュークたちの星座」
中川右介「手塚治虫とトキワ壮」
石井雄太「イチローインタビューズ 激闘の記録2000-2019」
三井誠「ルポ人は科学が苦手」
ロランス・ドヴィレール「思想家たちの100の名言」
「新装版 山本二三百景」
「ギネス世界記録2020」



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