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2020年4月20日 図書館通信 4月の図書館ニュース 公開中

新年度まずはこんな本などいかかでしょう?
「らいぶらりーNEWS 春分号」内容紹介

本の世界は多種多様、新しい出会いを見つけてみよう!

創造の翼で跳びあがれ!ー小説・物語から

「ある日、爆弾が落ちてきて」(B913-フ) 古橋秀之著 KADOKAWA(メディアワークス文庫) 
 “今”を思い悩む少年の前に“かつて”思いを寄せていた少女の姿をした爆弾が落ちてきた…。そのほか様々な時間の流れを舞台に巻き起こる、多種多様なボーイ・ミーツ・ガール。日常のすぐ隣にある、かもしれないし、すでにあったかもしれない。すこしふしぎ系のSF短編集。

「青少年のための小説入門」(913-ク)久保寺健彦著 集英社
 いじめられっ子の少年と強面の不良がひょんなことから出会い、そして始めた小説の朗読会。いつしか「小説」の世界に魅せられていった二人はコンビで作家デビューを志す。小説を書くとは? 創作をするとは? 夢を抱いて目指す人すべてに贈る物語る人の物語。
 
「彼女は一人で歩くのか(Wシリーズ1)」(B913-モ-1~10) 森博嗣著 講談社(講談社タイガ)
 高度医療は半不死を、高度ネットワークは超AIを、人造生命は新たな社会を生み出し、人類は平穏で安定した世界を実現した。しかしそれはいままで追いやっていた“人間”とは何か?という根源的な問いを再び浮かび上がらせることになる。一人の研究者が様々な出会いを繰り返しながら人間の世界へ突き付けられた問いへ静かに思索する。これから先のヒトの在り方を提示するSFシリーズ。
 
「ブラッカムの爆撃機」(933-ブ) ロバート・ウェストール著 宮崎駿編 岩波書店
 その機体を外と隔てるものは薄い皮一枚、その機に乗って行われる爆撃任務はいつも死がすぐ隣に座り、目の前で墜ちていく敵機や味方機を横目にしながら「今日は」自分ではなかったと安心し帰還する日々の繰り返し。恐怖の日常は狂気を正気にせねば生きられない。戦争の狂気に飲み込まれた呪われた機体をめぐる、戦争の現実を淡々と描写する戦争文学の名作。この作品を愛してやまない宮崎駿による特別寄稿漫画を付けた特別版。

新たな世界を広げようーノンフィクション
 
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(376-ブ) ブレイディみかこ著 新潮社
 人種も文化も階層も、多種多様に入り乱れるイギリスで始まる中学生活。そこは貧困・偏見・差別にいじめは日常茶飯事、常識や良識も一文にならない現代世界の暗い縮図が横たわる。押し寄せる現実を前にして戸惑いながらも受け止めていく母、そしてクールながらも前向きに頑張る息子がおくる、誰にでもどこにでもある中学生日記-英国死闘篇-。
 
「ゼロからトースターを作ってみた結果」(B500-ト)トーマス・トウェイツ著 新潮文庫 
 彼はパンを焼く機械を手に入れるため、自分の手で作ってみようと思い立つ。そして彼がまず始めたことは近くにある鉱山を調べることからだった。すべてのものには素がある、製品も、部品も、材料も、何もかもがいろんなものが繋がり作られ出来ている。これはもはや現代の錬金術?賢者の石は自身の頭の中にあり! 何もないところからものを生み出し作り出す、抱腹絶倒、究極のDIY奮闘記。
 
「ゴジラ幻論」(481-ク) 倉谷滋著 工作舎
 映画「シン・ゴジラ」の未確認巨大生物の生物的整合性と発生学的考察を皮切りに、(主に東宝特撮の大)怪獣たちはどのような進化を経てユニークともいえるあの姿になったのか? 動物発生学や形態変化で紐解いていくうち、次々となじみの彼らの衝撃の真実が明かされていく! 特撮映画を心から愛する進化生物学者が大真面目に考察し妄想する! 研究すること、考えること、その面白さを教えてくれる、妄想生物学論。
 ※SF映画のエイリアンや宇宙人に関しても考察する姉妹編「地球外生物学」(481ーク)もあります。
 
「絶望名言1・2」(902-カ―1・2) 頭木弘樹著 飛鳥新社
 ネガティブで後ろ向きな言葉のはずなのに、耳を傾けていくうち、いつしか不思議とその身に希望が湧いてくる。どんな偉業を成し遂げたひとであっても、おっかなびっくり一歩一歩歩いてきた。お先真っ暗だからこそ、はるか先の光に気づける。輝かしい名言にはちょっと背を向け、ちょっとうつむきながら日陰の言葉に背中を押してもらおう。落ち込んだりもするけれど、それでもどっこい、ぼくらはみんな生きている。誰もが共感する等身大の目線で説く絶望からの名言集。
『絶望することができない者は、生きるに値しない』(ゲーテ)

この世界を考えるための知識をつけよう-新 書
※新書は社会問題を考える入門的な一冊、いま世の中が抱える問題や考えを知るのに最適なもの。
 自分の興味のあることをはじめにしてどんどん読んでみよう!
 
「バッタを倒しにアフリカへ」(N486―マ)前野ウルド浩太郎著 集英社新書
 就職活動中の若き研究者は手つかずの発見を求め、裸一貫アフリカの大地へ降り立った。言葉は通じずとも魂(ソウル)は通ず、熱き思いを胸に秘め”あいつら”を待つ日々。そしてついに彼の目の前に待望のバッタの大群が現れる。自らの幼き日の夢を叶えるため、おもむろに緑の衣に着替え、颯爽欣然と群れの前にその身をさらした! 彼は憧れの昆虫学者になれるのか? 夢を叶えに七転八倒、真面目に本気の研究者道! 
 
「人生を豊かにする学び方」(N002-シ) 汐見稔幸著 ちくまプリマ―新書
 目の前にノートや教科書を広げるだけが「勉強」だと思っていませんか? 単なる作業だけでは何も得られない。本当の「学び方」を知ることは「人生」をつくることになる。ただ学校に行き、教室に座るだけが勉強じゃない、日々その身の回りに気づきと思考をもたらす「自分の好きなもの」を見つけることから始めよう。将来の選択肢を広げ、ずっと新鮮な学びを得るための、生涯、学習のススメ。

今月の名言
『我を忘れてその本の中に飛び込み、自分の全感覚を喚び起し、全存在をさらけ出して、その本の影響を貪り受けよ。』
(河上徹太郎「読書論」)
今は本屋さんも図書館も開いてないかもしれませんが(通販とかネット書店でなら入手できるかも?)、
少しでも興味を持ってくれたなら、新たに始まった時にでも、借りに来てください。


不撓不屈は人ゆえに、人だけの、人だからできること

高く跳びあがるために、うずくまり深く沈みその身の裡に力を溜め込む

今は泰然自若、沈思黙考、慌てず焦らず腐らず、その秋(とき)を待つ。