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2020年5月16日 図書館通信 混迷極める現代世界、いま読みたい『十傑』本!

世界中が混迷を極めるなか、真に必要なのは知り、考え、動く力。
これからを変えようと『動く』ために、動くために必要なことを『考え』るために、
いまはこの身に『知』をつけよう!
 ※タイトルあとの( )内は当図書室の請求記号です。他の図書館などでは番号が異なる場合もあります。
  ほかの図書館や本屋さんで探すときは「タイトル」や「著者」や「出版社」などから探してみてください。


かつて世界中で猛威を振った感染症、天然痘。幕末の日本でも多くの人が苦しめられる中、一人の町医が「種痘」という治療法を知る。新しい治療法ゆえに気味悪がられ、理解も得られず、偏見にさらされようと、彼は故郷の人々と多くの苦しむ人々を救うため、胸に小さな救いの種を抱き、志を同じくする人々と共に険しい雪山を越える。「種痘法」を広めた福井藩医笠原良策、折れず挫けず人を救うために歩んだ不撓不屈の物語
「雪の花」(B913-ヨ)吉村昭著 新潮社(新潮文庫)
 
 
未知のウィルスに脅かされ滅亡の淵に立つ世界。予見に似たヴィジョンは絶望か?希望か? 終末SFの金字塔
「復活の日」(913-コ)小松左京著 早川書房 
   ※YAリライト版(Y913-コ ポプラ社)もあります。


謎の病気が蔓延する中生き延びた男。そしてその病気に立ち向かおうとうする医師たち。動乱の気配立ち込める国でそれぞれが己の大切のものを守るために闘う。壮大な世界観で繰り広げられる、大河ファンタジー
「鹿の王」(913-ウ‐1・2)上橋菜穂子著 KADOKAWA
   ※続刊「~水底の橋」(913-ウー3)もあります。番外編的な話ですが、もう一歩生と死と医療について踏み込んでいるので一緒に。


心が朽ち果ててしまうような苦難が続こうと、きっといつか希望はおとずれる。あなたならこの人々が直面した問題にどう立ち向かうか? 
これだけ読んでも大丈夫、十二国記シリーズ珠玉の短編集
「丕緒の鳥 十二国記短編集」(YB913-オー7)小野不由美著 新潮社(新潮文庫)
   ※人が運命に立ち向かい切り開く物語「十二国記」シリーズ既刊10作(「魔性の子」含む)こそ、今この時期に読むべき「強い」物語!
 

どんなに苦しくとも、人は人にやさしくできる、そしてそれは繋がっていく。さびれた一軒のどら焼きが繋げた、ひとのやさしさが紡がれていく物語
「あん」(913-ド)ドリアン助川著 ポプラ社
    ※映画化もされています。見る機会があればぜひ。


閉塞しきったストレス社会で肉体精神にのっぴきならない不調を抱えるあなたに、最低最悪最強の名(迷)医Dr.伊良部の破天荒診断をごあんな~い! 
「イン・ザ・プール」(YB913-オ)奥田英朗著 文藝春秋(文春文庫)
   ※シリーズ続編に「空中ブランコ」「町長選挙」もあるのであわせて一緒にお悩み解決(ただし自己責任で)。
 

ただあるがままに自然の中から実を見出す、それが科学の、森羅万象すべての、世界の扉を押し広げる。
「寺田寅彦 科学者とあたま」(402-ス)寺田寅彦著 平凡社
   ※寺田寅彦を読むなら「柿の種」(B914-テ 岩波文庫)などもおすすめ。
    またこの「STANDARD BOOKS」のシリーズはほかにも様々な主に科学者の随筆を中心に、
    文理分け隔てない世界の豊潤さを私たちに教えてくれるお勧めシリーズ。


柔らかき陽光差す、白き部屋。静寂なる絵画世界があなたに静かに語りかける。
外に出られないのなら、あなたの部屋であなただけの展覧会を開こう。近年多くの作品が来日した知られざる画家の画集
「ヴィルヘルム・ハマスホイ 静寂の詩人」(723-ハ) 東京美術

 
この国はまるで成長していない、なんど同じ失敗を繰り返せば気が済むのか? 楽観・決めつけ・希望的観測・忖度・部署利益重視・現実逃避、そして崩壊。
日本軍の失敗から紐解く日本型組織の欠陥と弱点を鋭く解き明かす。組織研究の古典にして名著
「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」(U391-シ)戸部良一ほか著 中公文庫
    ※明大推薦本にもなっています。 


世界の歴史は感染症との闘いの歴史。歴史は繰り返す、なら、人類はこの脅威を乗り越えることができる
「ビジュアルパンデミックマップ伝染病の起源・拡大・根絶の歴史(493-ヘ)
 サンドラ・ヘンペル著 日経ナショナルジオグラフィック社

陽はまたのぼりくりかえす
明日は明日の風が吹く
いまはまだ静かに過ごすとき

でもいつかは、
とりあえずいまは、
悲観もせず楽観もせず、けれども前を向くことをやめない
Whatever will be, will be(なるようになるさ)