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2015年10月20日 図書館通信 「らいぶらりーNEWS 暮秋号」&「BOOK TIME 2015年度 号外」発行中

秋が深まる中にいろいろ読みたい!
中学・高校図書室で読める
読書の秋のおすすめ本

高校図書閲覧室より

様々な秋を読もう!!

読書の秋
「伊藤計劃トリビュート」(B913ーイ) 藤井太洋・吉上亮・長谷敏司ほか著 ハヤカワ文庫
「虐殺器官」「ハーモニー」「屍者の帝国」の3作を世界に提示し世を去った作家、伊藤計劃。彼の作品に様々な影響を受けた作家たちが彼のいなくなった後の世界を競作する。先端技術の発達が変容させる『人間』という存在、私たちのこれからを描くSFアンソロジー。

芸術の秋
「日本のふくもの図鑑」(759ーニ) 上大岡トメ+ふくもの隊 朝日新聞出版社
 日本各地の郷土玩具や民芸品には、その土地の風土や民俗が凝縮されている。こけしや張子などお土産物としてもおなじみのものからその土地出身の人でも知らなかった知られざる伝統工芸まで、ユニークでゆるくてとってもチャーミング、ふくもの探索隊とあつめた日本全国縁起物図鑑。

スポーツの秋
「スローカーブを、もう一球」(B913―ヤ)  山際淳司著  角川文庫
 誰でも一度はその場の『主役』になれる時がある。それがその時一瞬のきらめきであったとしても、鮮明なその輝きはいつまでもその人の、そして誰かの心に残り続ける。スポーツを志す『選手』であるなら一度は読んで欲しい、名作「江夏の21球」「たったひとりのオリンピック」等を含む、スポーツ・ノンフィクションの名作。

食欲の秋
「飼い喰い」(645―ウ)内澤旬子著 岩波書店
 生き物はいつ食い物になるのか? 長年の疑問を晴らすため、3匹の子豚を『食べる』ために育てていく。おいしい肉とする環境づくりに四苦八苦、しかも生活を共にした分だけ愛着は湧いてくる。しかしとうとう決断の時は訪れた! いのちを『いただく』までの渾身の食ルポ。

旅情の秋
「ふたえ」(913―シ)白河三兎著 祥伝社
 京都への修学旅行で余り者が集まって組まれた『ぼっち班』。エキセントリックな転校生を中心に彼らがおくったそれぞれの修学旅行の顛末が語られる。ある一つの事柄も別の視点を通せば別の像が現れていく。最後に重なる一つの真実、驚きの仕掛けが待つ青春ミステリ。

読書の秋に読むものは、こんなブックガイドから探してみては?

 
全国の本屋さんから中高生の皆さんへのおすすめ本POP集
「THE BOOKS green 365人の本屋さん が中高生に心から推す『この一冊』」(019-ザ)ミシマ社
50人の作家の読むべき10冊を厳選
「この作家この10冊」(910―コ)本の雑誌編集部編 本の雑誌社
海外エンタメに親しむ
「海外SFハンドブック」「海外ミステリ・ハンドブック」(B902―カ)ハヤカワ文庫

今月の新書ー日本人の気質をさぐる

「うるわしき戦後日本」(N361―キ)ドナルド・キーン&堤清二著 PHP新書
 日本と日本人の在り方に感銘を受け、日本国籍を取得したアメリカ人と、パルコや無印良品など現在のライフカルチャーを形作った実業家の二人が世界を魅了する『日本文化』について語っていく。文学・芸能・思想、果たしてどこにその魅力があるのか? 巷にはびこる単純な礼賛論だけでは終わらない、深い文化への洞察と警鐘を込めて日本について語りあっていく。次代へいかにこの文化を繋いでいくのかの示唆にも富んだ、日本文化対談。

「特攻―戦争と日本人」(N210.7―ク) 栗原俊雄著 中公新書
 自発的自己犠牲の美談として語られ続ける『特攻』物語、果たして本当にそうだったのか? 極限状態にいたった時にこそ、その国の隠れた地金が露わにされる。この国がかつて行ったあの行為は本当に繰り返さない過去のものとなったのか?  『特攻』と『戦争』があぶり出す日本人の体質。

中学図書室より

中学図書室では号外「現代の名作を読む!」として、今まで紹介してきた本の中から、
<読書の秋>におすすめの本10冊を紹介しています。

例えば
兵法を制する者が戦いを制す! 
「軍配者シリーズ 全3巻」(M913ート)富樫倫太郎著 中央公論新社

冬至の夜の世にも奇妙な物語!
「煌夜祭」(MB913ータ)多崎礼著 中公文庫

バッティグは物理現象だ!
「弱くても勝てます~開成高校野球部のセオリー~」(M783ータ)高橋秀実著 新潮社

未知動物ハンター、ジャングルを行く!
「幻獣ムベンベを追え」(MB290ータ)高野秀行著 集英社文庫

など
まだ読んでいない人や、再び読みたくなった人は是非中学図書室にも訪れてみてください。
天高く馬肥ゆる秋、
爽やかな風と同時に忘れてはならないあの風も吹いた10月の空
過ごしやすい季節は様々なものごとが吸収しやすいとき
ここで蓄えたものを糧に、冬に備えていきましょう。