源平・南北朝・戦国・幕末、この国の争乱の影には常に二つの一族たちによる知られざる闘争があった。海族と山族、決して相容れぬ者たち、彼らの闘争の歴史こそすなわちこの国の歴史。大胆な発想で千年の歴史を綴る、もののふたちの歴史絵巻。

「天地に燦たり」(913－カ)川越宗一著　文藝春秋
　大義ない侵略に振り回される日本、敵味方の暴虐にさらされ凄惨を極める朝鮮、そして静観し大局を見据える琉球、朝鮮出兵に翻弄される三つの国の民。誰もが自らの理想通りには生きられない。混迷の時代にあって悩み苦しみ葛藤しそれでも生きる人々を描く圧巻の歴史小説。

「ベルリンは晴れているか」(913－フ) 深緑野分著　筑摩書房
　祖国の敗戦は故郷を焦土とした。連合国による複雑な占領下に生きる一人の少女はある人の訃報を届けに、別の国が入り混じるベルリンの街をゆく。自らも戦争に傷つけられ奪われた彼女が目にする戦争に狂わされた多くのもの。彼女はそれらを横目に、もう一つのある目的のために歩き続ける。戦争が破壊するものを描く歴史ミステリ―。

「スウィングしなけりゃ意味がない」(913－サ) 佐藤亜紀著　角川書店
　われらが祖国ドイツが国を挙げて世界に喧嘩を売っている傍ら、少年たちはそんな大人を冷ややかに見下し日々を享楽的に生きる。日に日に常軌を逸していく戦争に巻き込まながら、それでも彼らは自由を音楽に見出し、この馬鹿らしい現実と闘っていく。戦争は渦のようにすべてを巻き込む、そんなものへ否を告げる少年たちの抵抗の物語。

「ある晴れた夏の朝」(913－コ)小手鞠るい著　偕成社
「原爆投下は是か非か」、日系人ということから参加するよう声を掛けられたディベート。それぞれの立場で事実・意見をぶつけ合い、考えたこともなかったことへ気づきをもたらしていく。あったことをなかったことにはできない。惨禍の記憶と歴史を継ぐために、あなたへ問いかける物語。

　歴史をただの事項の羅列や暗記だけだと思っているならもったいない。歴史とはその時代の人の行動・思考・想いが形となって残り積み重なってきたもの。過去と現在と未来を繋ぎ、真に“いま”を思考するための、歴史の見方・知り方・楽しみ方を教えます。
 
「陰謀の日本中世史」(N210.4－ゴ)呉座勇一著　角川新書
　悲運の英雄源義経、悪女日野富子、本能寺の変の黒幕、仕組まれた関ケ原など、歴史の真実としてまことしやかに語られる様々な“陰謀”。しかしそんな都合の良いことなどそうそうない。史実は小説より奇なり、日本中世史を軸に陰謀論の誤りと仕組みを解説する。あなたも快刀乱麻な歴史の真相に踊らされていませんか？

そのほか歴史を考えるヒントになる新書
　「日本史の新常識」(N210－ニ)
　「世界史の新常識」(N209－セ)
　「歴史戦と思想戦」(N210－ヤ)
　「平成時代」(N210.7－ヨ)など
 

　「トランクの中の日本」(O210.7－オ)ジョー・オダネル写真　小学館
　「戦禍の記憶」「(O748－オ)大石芳野写真　クレヴィス
　「世界の特別な一日」(209－セ)日経ナショナルジオグラフィック社
　「ピュリツァー賞受賞写真全記録」(209－ピ)ハル・ビュエル編著　日経ＢＰ社
　「ＭＡＧＮＵＭ　ＭＡＧＮＵＭ」(O748－マ)　MAGNUM PHOTOS編著　青幻舎

「原点」(726－ヤ)　安彦良和・斎藤光政著　岩波書店
「革命とサブカル」(726－ヤ) 安彦良和著 言視舎
　人類が宇宙へと進出した宇宙世紀の戦争を描き、そしてナショナリズムに加熱し戦争へと進んでいく古代と近代の日本の姿を描いてきた稀代の一人のクリエイター。その人はかつて激動の時代に革命を夢見て行動した数多の青年活動家の中の一人でもあった。あの時代に身を置きその空気に触れ理想を求めた者だからこそあの時代を語れ、そして現在の日本の姿を鋭く問える。自らの人生を振り返り、その創作の原点〈オリジン〉に迫る２冊。

どんな作品を描いてきたのか？『安彦良和』作品の手引きにはこちらをおすすめ
「安彦良和の戦争と平和」(N772－ス)杉田俊介インタビュー　中公新書ラクレ
 

今月の名言
　「むかし景気のよかったものは、復古を主張し、いま景気のよいものは、現状維持を主張し、まだ景気のよくないものは、革新を主張する」（魯迅　中　作家）

ロバート・ウェストールは、美術教師として教える傍ら一人息子クリストファーのために書き「機関銃要塞の少年たち」でカーネギー賞を受賞。現代イギリス児童文学を代表する作家である。作品には「現実的でリアルな物語（第二次世界大戦が背景になっているものが多い）」と「怖い物語（超自然的な存在や現象を扱っているもの）」の２つの流れがある。

「ブラッカムの爆撃機」（９３３－ウ）
　「ああ、爆撃機に乗ってる。ドイツに爆弾を落とすのがどんなものかって？　ほんとうに知りたいのか？　よし、気をいれてきけよ。ジョージ、ビールをもう二杯たのむ。」
　第二次世界大戦下、イギリス空軍の爆撃機ウェリントン（貧弱なアルミ管の骨組みに布がはってある機体）の無線士ゲアリーが語る南オードビーでのできごと。ブラッカム軍曹の爆撃機に撃墜されたドイツ軍兵士の亡霊ゲーレンは生きていた時よりも餓え、次つぎに犠牲を求め続ける。増幅する恐怖の連鎖が、次第に兵士達の正気を奪い去る。戦争の酷さと狂気、そして爆撃機の乗員経験が体感できる作品。短編「ﾁｬｽ・ﾏｯｷﾞﾙの幽霊」「ぼくを作ったもの」２編と宮崎駿のカラー描き下ろし「ﾀｲﾝﾏｽへの旅」掲載。
　

（ウェストール）
『フフフ…そうですね。
　それが私の文学の弱点です。
　　自分の願いが強くですぎる。
　現実がもっとムゴイのを知っているのに…。』 
『ありがとう…』

【図書館にあるｳｪｽﾄｰﾙの本】＊図書請求記号は全て933-ウ
【機関銃要塞の少年たち】（933－ウ）
　第二次世界大戦下、イギリスのある町。墜落したドイツの爆撃機を見つけたチャスは、中から機関銃を取り出した。そして少年たちだけで“要塞”を作る…。大人社会との対立やドイツ兵とのふれあい、戦争の無意味さを浮き彫りにする、痛快なジュニア小説。
 
【弟の戦争】（933－ウ）
  ぼくの弟フィギスは心のやさしい子で遠く離れた人の心を読み取る不思議な力を持っている。そんな弟に湾岸戦争が始まった夏のある日、奇妙なことが…。弟思いの兄トムが弟を襲った不思議な事件を語る、迫力ある物語
 
【かかし】（933－ウ）           
 　死んだパパを敬愛するあまり、継父や家族への憎悪を募らせる少年サイモン。その追いつめられた孤独な心は、かつて邪悪な事件が起こった水車小屋に巣食う怨念を目覚めさせ?! 初版1987年刊(福武書店)の改版。
 
【海辺の王国】（933－ウ）
  空襲で家と家族を失った12歳のハリーは、イギリスの北の海辺を犬とともに歩いていた。わずかな食べ物を犬と分けあい、親切な人や心に痛みを抱えた人、残酷な人などとの様々な出会いを通して成長していく物語。      
 
そのほか・・・「遠い日の呼び声」（短編集）／「真夜中の電話」（短編集）／「クリスマスの幽霊」／「青春のオフサイド」／「禁じられた約束」／「猫の帰還」／「海辺の王国」／「ゴーストアビー」※これ以外にも多くの作品を執筆しています。図書室にない作品などは近くの公共図書館で探してみよう！

池井戸潤「ノーサイド・ゲーム」
西尾維新「掟上今日子の備忘録（忘却探偵ｼﾘｰｽﾞ既刊11冊）」
水木しげる「総員玉砕せよ！」
星野ルネ「まんがアフリカ少年が日本で育った結果／同ファミリー編」
山田ルイ５３世「ヒキコモリ漂流記」
ヨシタケシンスケ・荻上チキ「みらいめがね　それでは息がつまるので」
渡邉義弘「始皇帝中華統一の思想『ｷﾝｸﾞﾀﾞﾑ』で解く中国大陸の謎」
鈴木敏夫「天才の思考　高畑勲と宮崎駿」
 
「ＣＤ」 続々入荷中！貸出できます！
「クイーン」「ビートルズ」「ローリング・ストーンズ」「エルヴィス・プレスリー」「スティーヴィー・ワンダー」「ディープ・パープル」「ルイ・アームストロング」「フランク・シナトラ」「ナット・キング・コール」「シンディ・ローパー」「ロイ・オービソン」「ロッド・スチュアート」「ドナ・サマー」「スティング」「ベット・ミドラー」「ジョーン・バエズ」「アンディ・ウィリアムズ」「エディット・ピアフ」（以上、入荷CDアーティスト名、英語学習にもお勧め！）
 
「ＤＶＤ」続々入荷！館内で見れます！
「デザインあ」「デザインあ２」「レインマン」「スタンド・バイ・ミー」「シンドラーのリスト」「雨に唄えば」「グッドモーニング、ベトナム」「フォレスト・ガンプ一期一会」「ミセス・ダウト」　（以上、新規入荷DVD作品、ほかにもあります！）