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2020年7月20日 図書館通信 夏休み貸し出し開始直前! 図書館ニュース夏号 発行

行く場所も時間も機会もなくてどこにも行けないなら、どこにもないところに行けばいいじゃない!
遠くへ行かない/出没!しない/充電したまま/正直おうちツアーズ

「東京夜行」(726―ウ) マテウシュ・ウルバノヴィチ著 エムディエムコーポレーション
 見慣れた街角も、『闇』に照らされることで全く違った側面が見えてくる。怪しさは迷宮的で魅力的、ポーランド出身の画家が描く東京の『夜の街』の姿。実際に訪れられないからこそ見たくなる、見知った都市の裏側を美しい水彩画で巡る。
 
「Michi/みち」(E726―ジ) junaida著 福音館書店
 あなたの前に伸びるているのは、白いただひとすじの道。街の隅々に入り組み曲がり伸び続く道をたどって、あなたは何を見出し、どこを目指すのか? 言葉のない絵本であなただけの物語を旅しよう。
 
「ザ・ループ」(726―ス) シモン・ストーレンハーグ著 グラフィック社
 巨大な円形粒子加速器『ループ』が誘致された北欧の町。壮大な自然風景に突如現れた巨大な人工物、いつしか人々はその光景を日常として生きていく。一つの構造物がもたらした奇怪な風景に変貌する世界、郷愁と驚愕をごった返した架空の町の興亡記。そしてループが消えた地に訪れたもの達を描く続編「フロム・ザ・フラッド」(726―ス)もあります。
 
「海外旅行なんて二度と行くかボケ!!」(N290―サ) さくら剛著 産業編集センター
 心揺さぶる絶景、やさしき人々との美しき交流、キラキラした最高の宝物…、そんなものはまやかしだッ! 海外旅行で碌な目にあったことがない旅のスペシャリストが語る、あのめくるめく思い出したくもない旅のメモリー。こんなことになるなら犬を抱えてうちで踊っていればよかった、でもまた行きたいかも。旅の半分は苦痛、もう半分はトラブル、大爆笑な漢の旅行記。
 
「パワースポットはここですね」(291―タ) 高橋秀実著 新潮社
 占いオカルトスピリチュアル、人はパワースポットを求める。先が見えない時だからこそ人はよりパワーを求める、というわけでもないらしい。いろんなパワースポットとされるところを訪れ回ってそこにいる人・来た人たちにいろいろ聞いて見えたものとは? 信じる者は救われる? 日本人のふわっとした信仰心の根源に触れた、かもしれないルポ。
 
「息吹」(933―チ)テッド・チャン著 早川書房
 誰もが正確な記憶能力を得た世界での愛のかたち、並行世界が日常となった世界の自由意志の在り処。SFは荒唐無稽なフィクションではなく、想定されるこれからを思索した帰結の一つ。あなたに世界の理を垣間見せる、寡作作家の第二短編集。

『視点』を変える、『世界』を変える

「こんなに違う!?ドイツと日本の学校」(372―ワ) 和辻龍著 産業能率大学出版部
 ドイツで教育とは子どもの『仕事』、学校は自立と自律を身につけ社会の一員として生きるための方法を学ぶ場所。日本的な教育とは一線を画す教育法をその身で体験し見えてきた日本との違いとは?『今まで当然』だったものが変わる時代に新たな視点で次のあり方を見つけてみよう。現役教師がドイツの教育現場へ飛び込み学んだ現地レポート。
 ※著者のサイン本が 寄贈されています。
あわせて読みたい「風土が人間に影響する」-著者の曾祖父である哲学者和辻哲郎の名著「風土」(B121―ワ) そこに通ずる考え方を見つけてみよう。

疑問を抱いて追い求める探求心!

「桃太郎は盗人なのか?」(Y398―ク)持よつば著 新日本出版社
 絵本でしつこいぐらい桃太郎一味に退治されてき鬼たち。ふと「それは本当に正しいの?」と疑問を抱く。それから様々な桃太郎の本を読み、鬼の来歴も調べ、そして見つけた桃太郎と鬼の真実とは? 小学生の調べ学習コンクール入賞作の書籍化。探求心に年齢も技術も関係ない、ふとした疑問は原動力!
 
「ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学(404―マ)ランドール・マルロー著 早川書房
 高くジャンプするためにジェット気流を利用しよう! 自家発電には大陸プレートを使おう!など、日常の身近なことを持ちうるすべての科学を(無駄に)使って解決しよう。真似したくても簡単にはできない暮らしの豆知識集『あまりにたくさんの冴えないやりかた』。
あわせて読みたい 
あり得ないことを現実にするため真面目に考えた(考えることは)自由研究の姉妹編
「ホワット・イフ? 野球のボールを高速で投げたらどうなるか」(Y404―マ)

他にもたくさん街中にはこんな『研究対象』であふれている!
置き去られし『片手袋』が示すもの
「片手袋研究入門」(049―イ) 石井公二著 実業之日本社

お弁当の中にいる『食べられない魚』を収集し分類する
「醤油鯛」(578―サ) 沢田佳久著 アストラ

一見無価値な構築物、それこそ『超』芸術
「超芸術トマソン」(B049―ア)赤瀬川原平著 ちくま文庫

戦争を語り、遺すこと

「戦争は女の顔をしていない」「ボタン穴から見た戦争」(B986―ア)スヴェトラーナ・ アレクシエーヴィチ著 岩波現代文庫
 戦争は、この世にいるすべての者を、誰であろうと、いくつであろうと、例外なく巻き込む。第二次世界大戦、ドイツとソ連が繰り広げた絶滅戦争、そこに女性や子どもたちも否応なく組み込まれた。女性たちは、愛する祖国と家族を守るためにその身を兵士として戦場に置き、子どもたちは、何もわからないまま逃げ惑い隠れその禍の中に子ども時代を過ごした。語られないことは『ない』ことではない、戦後多くの生存者に会い聞き集め拾われた戦争の記憶。個人の記憶を歴史にとどめ、のこす2冊。

夏休み貸し出しのお知らせ

7/23(木)から夏休み貸し出しとなります。  
返却期限日は9/2(水)
一人原則10冊、ですがもう少し借りていきたいという人は個別に相談に応じます(英語リーダーのみ冊数制限なし)
ただし自分で何を借りているのかを忘れないようにしましょう。
なお夏休み期間中に借りていきたい・開室日に借りにいけない・混雑を避けたいなどの人には事前予約取置を受け付けています。図書室にある「本の予約カード」へ〈借りたい本・借りに来る日〉を記入し、読みたい本と共にカウンターで手続きしてください。
今月の名言
 「人は誰しも自分の視野の限界を、世界の限界だと思っている」
(ショーペンハウアー)
世間がどう騒ごうと季節はめぐり、うつりゆく、四季ひととせは変わらない。
普段を不断にする必要などないのだから
今ある状況に振り回されるなら振り回されるなりに
利用し楽しみ糧とすればいい。
この夏もこの夏なりに過ごしていこう。