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2020年11月28日 図書館通信 冬休み貸出直前!! 図書館ニュース初冬号 発行

※図書館ニュースは現在図書室内で配布しています。

混迷の時代を生き抜くために
”歴史”に学ぶ

「歴史とは靴である」(210―イ)磯田道史著 講談社
 歴史は暗記するだけのもの? いや、歴史とは人の視野を広げ、世界の見方を増やし、人がこれからをよりよく生きていくために使える道具なのだ。道具を用いることで、今まで不可能だったことも解決できる。今こそ歴史『を』学び、身につけよう。趣味が高じて学者になった歴史学者が高校生へ向けて語った歴史学へのススメ。
 
「今につながる日本史」(210ーマ)丸山淳一著 中央公論新社
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」、空前絶後・前代未聞・未曾有のことなんてそんなにない。同じ人類が続けてきた長い歴史、似通った状況は必ずある。長いスパンで眺め渡し、難題解決のためのヒントを歴史から学ぼう。前を知り、今に生かし、後へ伝える。今こそ必要な歴史『に』学ぶための歴史コラム。
 
「もう一つ上の日本史」(210―ウ―1・2)浮世博史著 幻戯書房
 歴史にわかりやすい『ストーリー』なんてない。心地よい理想の物語を構築し歴史に投影したがる歴史修正主義の誤謬と思い込みは基本的な資料を参照するだけで粗が分かる。知られざる真実などそうそうない、一つ一つ丁寧に記述を積み上げ通史を見よう。歴史を精査していく手順としても読める、教科書はきちんと教えてくれている歴史。
 
「日本史サイエンス」(N210―ハ)播田安弘著 講談社ブルーバックス
 蒙古を退けた神風の正体、秀吉中国大返しの裏側、戦艦大和はこう使えばよかった。エンジニアの目線から歴史の長年の謎を見直すと、意外なところから風穴があけられる。歴史とは文献とのにらめっこだけではない、分野の横断が通説に新たな光をあてる。科学目線で紐解いた歴史の謎。
 
「日本史の賢問愚問」(210―ニ)中里裕司編 山川出版社
 さも当然とされる歴史のあれこれ、ちゃんと答えられます? 歴史も学問、研究が進めばかつての記述もアップデートされ、時代時代の約束事もいつのまにか更新されている。いまさら聞けない知ってたつもりの歴史の素朴で基礎的な疑問をやさしく解消する75のQ&A。
 
「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」(N210.7―エ) 庭田杏珠・渡邊英徳著(「記憶の解凍」プロジェクト) 光文社新書
 その古い白黒写真が写した本来の光景は今と変わらず、色があった。かつての色彩を証言やAI技術でよみがらせ、遥か遠い風景と感じたものが私たちのすぐそばのありふれた光景と重なっていく。過去は遠く隔たったものではない。そこに生きていた人の歴史を目の当たりにする彩色写真集。

人の生が連なり、歴史となる

「日々の子どもたち あるいは366篇の世界史」(204―ガ)エドゥアルド・ガレアーノ著 岩波書店
 歴史とは様々な場所で、様々な人の営みによって紡がれている。広く膾炙する歴史記述は大勢の一部、私たちが知らない/知らされない/考えもしない事柄は無数に存在する。通史には記述されない多くの片隅たちによって構成された1日1話366篇の歴史叙述。
 
「ニューヨーク・タイムズが報じた100人の死亡記事」(280―ニ)河出書房新社
 世界を変え、人類史の針を進めた多くの偉人たち。その偉大なる人物たちが此岸より彼岸の方へと去る時、どんな言葉が飾られ、贈られたか? 当時の追悼記事から見えてくるその人が同時代をどう生きていたかの姿。人間がにじみ出てくる現代人間臨終図鑑。

戦国三梟雄に学ぶ、乱世の生き抜き方

「じんかん」(913―イ)今村翔吾著 講談社
 この世の三悪を成したとされる稀代の奸雄、松永弾正が再び反旗を翻したとの報を受けた織田信長は、一人の従者に向かって静かに、ある男がたどった苦難の人生を語り始めた。この男はこの乱世で何を見、何を望み、何を目指したのか? すべての人に代わって悪を成し、悪を無くすべく生きた一人の人間の物語。
 
「まむし三代記」(913―キ)木下昌輝著 朝日新聞出版社
 出自も定かならぬ一人の男の出世の背後には謎の存在『国滅ぼし』と呼ばれるものがあった。凶器の存在をちらつかせ乱世を上り詰めようとする美濃の蝮の名は齋藤道三。その牙に秘められたものはこの国を生かす薬か、殺す毒か? 三代にわたる下剋上が行きつく果て、新・国盗り物語。
 
「北条早雲(全五巻)」(Y913―ト―1~5)富樫倫太郎著 中央公論新社
 少年伊勢新九郎が都で見たのはこの世の歪み、弱きを虐げる戦ばかりの今の世など間違っている。誰かがやらねばならないのなら俺がやる、悪をも打倒する悪として。戦雲渦巻く関東を舞台に、のちに北条早雲と呼ばれる男が己の覇を掲げ乱世を駆け抜ける。戦国を始めた男の一大巨編。
 
もう一人、梟雄『宇喜多直家』
「宇喜多の捨て嫁」(913―キ)木下昌輝著 文藝春秋
 その男は自らの身内にすら恐れられる怪物。主家を裏切り、敵対するものは陥れ、自らの子は道具とし、様々な権謀術数を駆使してきた武将、宇喜多直家。誰も窺い知らぬその暗き裡のそのまた底に秘めた真意とは? 乱世に生きるとはこういうことだ。知られざる梟雄の物語。

歴史の転換点になるかもしれない“今”に直面する君たちへ

「ほんとうのリーダーのみつけかた」(914―ナ)梨木香歩著 岩波書店
 『みんな一緒が、みんないい』みたいな世の中になっている今日このごろ、本当にそれでいいの? 『みんな』なんて人はいない、君は君。誰もが人と同じようにすることに疑問を持ち、自分の中に自分を律する『リーダー』を心に擁立しよう。多様の中にこそ真の自由がある、これからを歩む小さき若き者たちへ伝えたい最大限のエール。
 
「コロナの時代の僕ら」(974―ジ)パオロ・ジョルダーノ著 早川書房
 2020年、僕らの世界は変わってしまった。感染症の恐怖は歴史として知っていたはずなのに、こうも簡単に『日常』がなくなってしまうとは。これから僕らはどのようにして生きていこうか、静かな思索が小さくとも強い一筋の光明をもたらす。2020年4月、イタリアから発せられた明日へのメッセージ。

冬休み貸し出しのお知らせ

12/8(火)から冬休み貸し出しとなります
返却期限日は2021年1/9(土) ※始業式のある週の週末までです。
年末年始は巣ごもりが推奨される今回に限り、貸出冊数は無制限とします。

ただし自分が今、何を何冊借りているか把握でき、期限日までにすべて返却できる範囲にしてください
なお冬貸し出し開始まで、事前の予約取り置きも受け付けています。
「本の予約カード」に借りに来る日を記入し、「冬休みに借りていきたい本」を貸出カウンターに持参して手続きしてください。

 
今月の名言
「教育の最高の成果は寛容である」(ヘレン・ケラー)
 

前があり、今があり、後がある

一つ一つは点に過ぎない、
しかし点は連なり、繋がり、線となり伸びていく
そして分かれ、交叉し、重なり、再び分かれ、そして更に伸びていく

かつての人々が残した点が今ここにつながっている
そして今いる我々が線をこれからも伸ばしていく
これから先をよりよくするために、今できることを考える
叡智を、繋ごう