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2021年4月10日 図書館通信 図書館ニュース春分号 発行

最初に読むならこんな本は? 2021

本はここではないどこかへあなたを導く扉
新しい生活の始まりにその扉をノックし自ら開けていこう

その物語が背を押し力をくれるー小説

「パラ・スター side百花/side宝良」  (B913―ア―1・2)  阿部暁子著 集英社文庫
 二人の夢は車いすテニス選手と車いすエンジニアとして共に世界の大舞台で並び立つこと。多くの苦難や挫折が立ちはだかろうと、お互いが夢を叶えることを信じ自らの道をゆく。弱さもいつか強さになる、熱きパラ・スポーツ小説。
 
「ある日、爆弾が落ちてきて」(B913-フ)古橋秀之著 メディアワークス文庫
 “今”を思い悩む少年の前に、“かつて”思いを寄せていた少女の姿をした爆弾が落ちてきた? 様々な時間の流れを舞台に巻き起こる多種多様なボーイ・ミーツ・ガール。すこしふしぎ系時間SF短編集。
 
「桃山ビート・トライブ」(913-ア)天野純希著 集英社
 時は秀吉の天下統一間近なる頃。民衆への支配を強めていく権力に対し、集った4人はその身に付けた“音楽”で否を告げる。戦国時代に響き渡る爽快なビート。躍動する芸が壁をブチ壊す新感覚時代劇。

君が生きる世界を知るーノンフィクション

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(376-ブ) ブレイディみかこ著 新潮社
 人種も文化も階層も多種多様なイギリスで始まる中学生活。そこは貧困・偏見・差別にいじめは日常茶飯事、常識や良識は一文にもならない現代の暗い縮図が広がっていた。戸惑いながらもクールに前向きに頑張る息子と母がおくる共生社会の中学生日記。
 
「ゼロからトースターを作ってみた結果」(B500-ト)トーマス・トウェイツ著 新潮文庫 
 彼はパンを焼く機械を手に入れようと、まず鉱山へ赴いた。唯一無二たる逸品を自分自身の手でゼロから作り出すために! 一つのモノをつくるまでの艱難辛苦/抱腹絶倒の道のり、究極のDIY奮闘記。
 
「ほんとうのリーダーのみつけかた」(914―ナ)梨木香歩著 岩波書店
 『みんな一緒が、みんないい』みたいな世の中で、本当にそれでいいの? 多様性の中にこそ真の自由はある。あなたの中にあなただけのリーダーを持とう。人と違うことを恐れず歩むための心の持ち方。

新たな世界を広げる-新 書

※新書とは様々な分野の入口となる本。 新たな分野を知る最初の一冊に最適です。
 小さな興味を大きな知識とするためにたくさん読んでみよう。
「バッタを倒しにアフリカへ」(N486―マ)前野ウルド浩太郎著 集英社新書
 就職活動中の若き研究者は手つかずの発見を求め、裸一貫アフリカの大地へ降り立った。目の前にはバッタの大群、彼は自らの夢のため、おもむろに緑の衣へ着替えその大群へ身をさらした! 彼はこれで憧れの昆虫学者になれるのか? 夢を叶えに七転八倒、これが本気の研究者道!
 
「南極で心臓の音は聞こえるか」(N402-ヤ)山田恭平著 光文社新書
  『南極では自分の心臓の音が聞こえるらしい』、学生の時の憧れを胸に青年は南極を目指す。そして足を踏み入れたのは外界より隔絶された、想像を絶する極地の大自然の中での非日常的日常生活だった。宇宙よりも遠いとされる場所で過ごした1年4箇月を面白おかしく赤裸々に語る。

「ジャイロモノレール」(N516―モ)森博嗣著 幻冬舎新書
 存在すら不確かな忘れ去られた技術“ジャイロモノレール”。とある作家がほんの興味からそれを現代に蘇らせた。自分が見つけた面白さならばそこに飽きなどこない。うちにこもることは悪いことばかりじゃない、自分の好きに耽溺する至福を味わえる個人研究のススメ。
 
「日本史サイエンス」(N210―ハ)播田安弘著 講談社ブルーバックス
 蒙古を退けた神風の正体、秀吉中国大返し成功の秘訣、戦艦大和の本当の問題点。エンジニアの目線が歴史の長年の疑問点に風穴を開ける。一つ方向からでは見えなかったことも別の視点から見れば全く新しい像が浮かび上がる。分野の横断が歴史の謎に新たな光をあてる、科学目線の日本史。
今月の名言!   
『我を忘れてその本の中に飛び込み、自分の全感覚を喚び起し、
 全存在をさらけ出して、その本の影響を貪り受けよ。』(河上徹太郎「読書論」
)

現在図書室は通常開室しています。
 その他図書室を利用する際のルールなどは「図書館利用の手引き」を見てください。
 わからないことや聞きたいことなどあれば、常駐する司書にも聞いてみてください。





あなたの前に広がった、ひとすじの道
先は見通せず、どこへ続くかわからないようにもみえる
けれどもよく見つめれば、その起伏の先に、次へと続く道が見える

一番の近道は遠回り、遠回りこそが最短の道だったりすることはよくある。

どんな困難があろうと、一つ一つを地道に歩む。
道でないところだっていい、地に足をつけ、踏みしめ、一歩一歩、
世界を広げに、進んでいこう。